BANG!

先日、幻聴に悩まされて仕事を休んだ。休んだと言っても二週間程度で、病気休職で一年半休んだことのある私からしてみれば、「ちょっと休んだ」くらいの感覚になる。

症状としては、眠る前に、バン、と風船の割れるような音が響く。それも断続的に鳴る。当然眠れないし、何より不気味である。最初は屋根の上から聞こえてくるのかと思ったけれど、眠る場所を変えても音が変わらず聴こえたので幻聴だと認めざるを得なかった。

はっきりとした音の幻聴を経験したのは生まれて初めてだった。症状はほぼ連日続いたけれど、仕事を休み始めるとすぐに止まった。私の場合はストレスの元から離れることが最優先と診断され、特に薬は処方されなかった。以前休職したときは、何をして過ごせばいいのかと迷ったものだった。しかし休むことに「慣れた」今の私は、早速好きなだけ昼寝をして、友人と外食し、穏やかに過ごした。

医者曰く、こういった症状は過労に陥った人に起こり得るものらしく、人によってはドカンと爆発するような音が聞こえることもあるらしい。なんとまあ、と思うのと同時に、人間の身体というのは随分と上手く作られているのだと思う。身体から発せられる警告は真摯に受け取るべきである。それが幻聴であれ、何であれ。

しかしこの一件以来困ったことがあって、ふとした物音を幻聴でないかと疑う癖がついてしまった。例えばある夜、大きな電化製品が倒れるような音が聴こえて飛び起きたのだけれど、たまたま家にいたのが私だけだったので確かめようがなかった。職場でオルゴールの音が聴こえてびくびくしたこともある。これはビルの放送を使って流れていた音楽で、幻聴ではないということが確認できた。

そしてこういう時心の底からありがたいと思うのは、「音楽が聴こえるんですけど、私だけじゃないですよね」と不安げに聞いても「大丈夫」と動じずに、笑顔で答えてくれる同僚達である。

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