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ドキュメンタリー映画を観る

ここ最近、ドキュメンタリー映画を観るのが好きだ。なぜアクション映画でも恋愛映画でもなくドキュメンタリー映画なのか?それはドキュメンタリー映画だとタイトルから「刺激の度合い」をある程度測ることができるからだと思う。

私は映画でも芝居でも、観た後はそのエネルギーに圧倒されてしばらく疲れてしまう。ペドロ・アルモドバルが監督した「バッド・エデュケーション」が私は大好きなのだけれど、やはり疲れる。影響されすぎるのだと思う。

だからタイトルから選別したドキュメンタリー映画は、映画を観たいけれども疲れたくないときに向いている。

まずは「ファッションが教えてくれること」。原題はSEPTEMBER ISSUE。アメリカで最大手のファッション誌VOGUEが、一年で最も重要とされる9月号の制作過程を追ったドキュメンタリーだ。ファッション業界と出版業界両方の舞台裏を見ることができるのでとても面白い。アナ・ウィンターの仕事ぶりも見れる。彼女は世間で言われるほど冷酷ではなく、ただ妥協することを許さずにベストを尽くしているだけのように見える。

次に観たのは「メット・ガラ」。これはニューヨークのメトロポリタン美術館が年に一度開催するイベントのドキュメンタリーで、アートの中でも地位が低く位置づけられがちな服飾部門のアンドリューが中国の魅力を伝えようと巨大な展示を企画するところから始まる。中国が共産主義国家であることや、歴史的背景、仏教観に配慮しながら過酷なスケジュールをこなしていく様子は圧巻である。ここでもアナ・ウィンターが出てくるけれど、彼女の手厳しさはこの映画の方が伝わってくるだろう。一言で周囲を圧倒させてしまう。

続いて、「永遠の反逆児〜ヴィヴィアン・ウェストウッド」、「モダン・トラッドの英国紳士 ポール・スミス」も観た。この二人は高齢であることを一切感じさせないほどチャレンジングでお茶目である。自転車に乗ってすいすいと街を走る。素直に自分の思ったことを表現できる大人は数多くいるけれど、品性を持ちつつ、周囲も笑顔にできるような人はなかなかいないんじゃないだろうか。良い大人を見ると、私も良い具合に年をとりたいなぁとしみじみ思うのである。

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