名前を思い出せなかったのは猿のせいでは、という友人の言葉がなんとなくひっかかって、数年前に一度読んだきりの短編集を読み返している。しかしようやく猿の話に差し掛かったところで手が止まる。私の話はエッセイでも書いたけれど、もっと何か、別な示唆もあったのかもしれない。

タフな一週間だったけれど、タフに乗り切った。三連休もバタバタとやることがあったけれど、そのぶん何も考えずにゆっくり過ごす時間を作ったらわりと元気だ。ただ、久しぶりにペンをとって手紙を書いたら、いつもとは違うエネルギーを使って身体が燃えるようにぼうっとしてしまった。

弟と会った。彼が家で、住民と、その恋人と、談笑しているというのは不思議な光景だった。彼のアドバイスはいつも通り的確だった。特殊な荒波を超えてきた分、出来ることと出来ないこと、可能性と現実性の境目が私よりもずっと見えている。

かといって別に、私も前ほど迷っているわけではなくて、むしろスッキリし過ぎていて逆に何かを忘れているのではないかと思うくらいだ。ケーキに砂糖を入れ忘れたとか、ミネストローネにセロリを入れ忘れたとか。

過去は過去で、美しいものは美しいまま、言いたいことがあるひとたちは言わせておけばいい、と思う。いまの私が持っているもの、見ている景色を本当に知っているひとは、どこにもいない。私が誰の胸のうちも知らないのと同じように。

追記。
寒いのでポトフを作った。はじめて豚バラ肉を使ったら、圧倒的に美味しかった。もっと作ろう。でも、良い豚バラ肉を手に入れられる場所を確保したいなぁ。

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