ウンベルト・サバの詩を読んで、何か引っかかっていた。そうだった、トリエステと、悲しみ(Triste)は一文字しか違わない。
サバはヘブライ語で「パン」を意味する。ユダヤ人の母を持つサバ。詩から漂ってくる、なんともいえない寂しさ。久しぶりに詩を好きだと思ったけれど、あまりにも悲しくて途中で手が止まってしまう。故郷は彼のよすがだったのか、本当に。本当か?
詩は強すぎるから慎重に読む。どんなに好きで素晴らしくても。
アナ・ウィンターのインタビュー記事で「ファッション界から追放したい言葉は?」という質問に対して「旅」と答えたのを知ったのがつい数日前。けれどルイ・ヴィトンの展示会に行くことになった。展示名は「旅するルイ・ヴィトン展」。行こうか行くまいか、と思っていたときにタイミング良くお誘いがくる。大好きな5月に予定ができる。
あれから4年経つ。
上手く声が出ない。周りに心配をかけたくないので、今夜は安静に過ごす。食事はしっかり。牛肉の赤ワイン煮込みと、サラダと、温めた卵。