物語の内容とは関係なく、物語を書くという行為の過程にはいつも死を感じる。理由はまだ考えられない。とにかく死がすぐ側にあって、常に時差ボケのような時間のズレを感じる。
困った、このひとに会いたいけれど、こんな状態で会って大丈夫だろうか。そんなことを考えていた矢先にそのひととバッタリ会って、そうか、会ってよかったのだと思った。私が切羽詰まった様子だったのを見て、驚かせてしまった可能性もあるのだけれど。
声をかけてもいいかな、と思ったとき、偶然そのひとと会えたり、思いの外長く話せることがあって、最近はそういった「時期」にいるのかもしれない。運良く。
なんとなく確信があって、これが書き終わったら、「今、ここ」でしなければならないことには区切りがつく。
祖母の命日が近いせいで、祖母のことをよく思い出す。祖父も祖母も揃って夏に死んだ。