素直さ

金曜日。
家で仕事をした後、上野で野暮用を済ませてから、恵比寿で誕生日のお祝いをした。シャンパンとワイン。銘柄をどちらも忘れてしまった。誕生日を祝うのは不思議な気分だった。長い付き合いだとか、関係性のことを思うと。この日はとても服に困った。香水だけじゃなくて、服も迷子になっている。それでも良い夜だった。

土曜日。
浅草へ。友人夫婦と子供を見て、この日もたくさん食べて、夜は葉巻を届けに某所。キューバのことを話すと色んなひとが私の知らなかったことを教えてくれる。コイーバが中国に高値で買い取られていて日本になかなか入ってこないとか、葉巻を巻く職人たちに本を朗読して聴かせる人がいるとか。ほんの少ししか接さないのに、私はこのひとたちと過ごす時間が好きだなと思う。ウイスキーは2杯、どちらも飲んだことのないもの。この日は銘柄をきちんと記録して帰った。店は混んでいた。この夜はなんとなくひとりになりたかったので、パートナーは本。ロミオとジュリエットは、甘すぎず、だった。

日曜日。
何かおかしなスイッチがずっと入っている。毎晩、眠りたくないなと思いながら眠りにつく。泳いで、料理。ワイルド・ウインターを読んでいるせいか、香水のせいなのか、秋の夜長のせいなのか、そもそもの時期のせいなのか、とにかくありとあらゆるものの影響で考え方が子供の頃に戻っているような気がする。だから素直になりきれない自分を格好悪いと思うのかもしれないし、食べたいものばかり食べているのかもしれない。あるいは大人でいたような気になっていただけで、それに飽きただけかもしれない。砂肝もコンフィは下味にもっと塩をつけないと物足りないかもしれない。ケーキはそろそろ食べ切らないと危ういかもしれない。かもしれない、かもしれない。

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