1月はβ版

元旦から気合を入れて何かを始めても大抵の場合は続かない、というのが私の「新年病」に対する個人的所感である。もちろん続くひとも世の中にはいる。日記を書いたりジョギングをしているかもしれない。けれど私にはそれができない。例えば日記だったらどれくらいの長さを書くのか、ジョギングだったら何キロ走るのか、ある程度続けないと自分に見合った量というものが見えてこない。要は試運転期間とそこから得られる現実的な手応えが無いと、何事も続けられる気がしないのである。その点ウェブサービスの考え方は親しみやすい。β版のうちにユーザーの要望を反映し、バグを潰し、正式なサービス開始に向けて物事を調整していく。そしてサービス開始後に不具合が生じた場合は・・・この話は長くなるのでまたの機会にする。

とにかく物事には試運転期間が必要だというのが私のささやかな主張である。そういうわけで、計画を立てるのが好きと思われがちなA型の私は、世の中の期待通りに11月には計画を立て、12月には試運転し、1月に正式に習慣化するというのがこの2、3年の習わしだった。このウェブサイトも2013年12月に試験的に始めて、翌年の1月から本格的に更新するようになった。しかもその前の1年は別のウェブサイトで書き続けて、自分にとって適切な更新頻度や文章量を計っていた。

こうして書き出してみると嫌になるくらい計画性のある人間に思えてくるけれど、去年はインドにいたおかげでそうもいかなかった。11月はカレーを食べるのに忙しくて計画の「け」の字も思い出さなかったし、12月は暑さのあまり12月であることも忘れていた。帰国後ぼんやりしていたら周囲がやけに意気込んでいるので、そうか1月になったのかと置いてけぼりを食らっているような状態である。

たまにはこういうのもいいか、とのんびりしているとあっという間に野球のシーズンが始まってしまう。今年はやりたいことがたくさんあるけれど、スポーツ観戦に沿った現実的な計画を立てたい。野球とツール・ド・フランスを観始めたことで私の人生は彩りを増したわけだけれど、おかげで夏の夜は仕事をする暇が無い。しかも今年どころか、去年のうちにと思っていた本の処分も済んでいない。ひとまず今月はβ版、ゆっくり計画を立てつつ部屋の片付けでもしようというのが私なりの新年になりそうである。

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