ヴィヴァルディの冬を聴いている。
銀杏の匂いが少し和らいだような気がする。慣れただけかもしれない。
薬局の玄関の植木鉢に、かぼちゃが飾られていた。
けれど、かぼちゃしか置かれていなかったので、とても寂しげに見えた。
何か飾りをつけてあげれば良いのに。
「空にいちばん近い悲しみ」を読んでいる。
いろんなことが
生きてゆくと
あるものなの
こんなわたしにも・・・・・・。
ぼうっとしていたら、友人からエールが送られてきた。
あまりにも熱心で、あまりにも長い。
返信を打ち込みながら泣いてしまった。
そう、ここ数年、あまりにも色んなことがありすぎた。
受け止めきれていない。少しだけ時間が欲しい。
人生が待ってくれないものだということは重々承知しているのだけれど。
私の愛するアーティストが指輪を作った。金色の指輪。
彼に「本、出たわよ!」とはやく言いたいから、執筆に、戻ろう。
そういえば、昨日と同じカフェの席にいる。
七歳くらいの少女が物憂げに天井を眺めていたのを見て
女というものは生まれながらに女なのだと思った。
天井を見ていた彼女の瞳は、
子供でも少女でもなく、女だった。