今は少し離れたところにいる
知人が今年やりたい100のことをリストにしたという。書き出すのも、年末に振り返るのも楽しい作業だろうなと思って私も書き始めた。けれどすぐに100個書き出すのは難しいと気がついた。書いては止まり、また書き始める。今ようやく40個を超えたところである。
ここに書き出すときりがないけれど(だって40個もあるのだ)、私のリストには色々なことが書いてある。友人を訪ねにアメリカへ行きたい、シェアハウスをより居心地の良い場所にしたい、温泉旅館でひたすら読書する日が欲しい・・・。
けれど途中でやらなければならないことについてもつらつらと書いてしまい、消した。やりたいこととやらなければならないことは、時々混ざり合ってしまう。
昔、病気になったとき、やることがないのでプログラミングの勉強をしていた。なぜなら誰かの役に立つかもしれないと思ったから。けれど実はそんなものに興味はなかった。プログラミングは放り投げ、しばらくしてからイタリア語を学び始めた。イタリア語を発音したり書き出したりするのが面白くて、私は数ヶ月間イタリア語で日記を書いていた。それくらい楽しかった。エッセイを書き始めたのもその時期だった。
寝る間も惜しい、もっとやりたいと思ったのは、随分と久しぶりのことだった。
やるべきことをやると良い反応がわかりやすく得られる。定期的にプールで泳げば健康が保たれるし、何か技能を身につければ仕事先の人に喜ばれる。中にはやりたいと思って始めたことが変化してやるべきことになることもある。それらが積み重なると、心の底からやりたいと願うことがわからなくなる。
英語で”Find myself”という言葉がある。初めて聞いたときは直感的に「(これまで失われていた)自分を見つける」と捉えていたけれど、実際には「自分自身を取り戻す」という訳が正しいと思う。それでも私は時々、「自分を見つける」という言葉に心の中で置き換える。
リストを書いていると、どこか遠くにいる自分の姿が見えてくるような気がする。